滋賀医科大学医学部看護学科3年時編入 合格 Wさん

「この経験をもっと患者さんの為に活かしたい」
この思いから、私は看護学を心の底から学びたいと思った。十数年間臨床で働き続け、振り返ると結婚、出産、もう三人もの母親になっていた。ここまで臨床を続けられてきたのは、もちろん家族の支えがあったからこそ。しかし、それとは別に患者さんに励まされ、叱られ、褒められ、支えがあったから続けられたことに今更ながら気付く。自分の知識と経験に理論、情報、教養、研究を重ね合わせる為に、看護大学3年次編入への進学を決めた。

受験に英語は必須、今の自分の英語力では到底合格なんて不可能。初めて英語に触れた中学時代を思い出すと授業が面白くなく、友達に教科書をあげてしまったエピソードが必ずよみがえる。20年前の後悔なんて何の役にも立たない、とにかく独学はムリ、誰かのもとで学ばなければ大学なんて夢のまた夢。そんな時、京都コムニタスのHPにたどり着く。

「生徒の年齢層が広い」「JR京都駅から近い」「仕事しながらでも通える」「看護大学編入専門塾」とにかく足を運んでみたくなり、すぐに塾の説明会に申し込んだ。

こぢんまりとした空間に、少し緊張しながら奥の席へと通され志望動機などを少し話す。受講費や働きながら通塾するにはどうすればよいのか、そんな話だけして帰るつもりだった。しかし大学の特徴や編入カリキュラムが充実している所、家庭のある私でも通学できる所など話にどんどん引き込まれ、帰る頃には目指す大学を絞り込んでいた。そして「人生を変えてみませんか?」の言葉。この塾で勉強してみたい、もう心の中では決めていた。しかし、その前に言わなければならない。初めて英語に触れたあのエピソードと、私の語学力を・・・。恥ずかしいなんて言ってられない、正直に伝えてみる。そして1枚の長文のプリントを渡された。読めたのは「camera」という単語だけだった。それでも塾長は言う、「半年後の受験を目指しましょう」

とにかく最初は不安、不安、不安。全く英語が解らない。授業についていけているのかさえ分からない。早速、授業外の課題が出された。この課題は半年間続けられ、受験の前日まで続けられた。授業が終わると予習しておいた課題の長文の読み合わせ。受験が近づいてくると、この読み合わせは授業前の日中と授業後の2回になった。何度もスランプに陥り、心が折れそうになり、泣きそうになった。しかし踏ん張れたのは、不思議と英語以外の必修と専門の授業だった。

必修では論文とは何か、情報収集の仕方、大学では今どういう人材が求められているかなど、丁寧に授業は進む。授業のたびに心が引き締まり、ぼんやりしていた自分像に1つずつピースがはめられ完成していくようにさえ感じられた。志望動機も先生の言葉で、更に鮮明になっていく。何故大学を目指すのか、何故その大学でないといけないのか、何故自分はそれをしたいのか。5月に入ると試験日までの勉強の進め方や面接対策が徹底的に行われていった。自分の心の奥底まで問うて言葉に変えていく。私の場合、大学で何を学びたいのか自分の中に見つけられずにいた。しかし何気ない話から、それがやりたい事ではないのかと先生に心の扉を開けてもらい、最後の1ピースがはめられ「私」が完成した。試験日1週間前のこの出来事が、一気に合格へと風向きを変えたと先生は言う。

専門では、十数年の臨床経験がある私にとって安心を得られる時間でもあった。知識の再確認をすると共に自分の弱い分野がはっきりと見えた。そこを重点的に勉強したが、更なる看護を目指す私にとっては苦痛はなく、あらためて「看護」の魅力に引き寄せられた。

こうして英語、必修、専門というトライアングルで心も何とかバランスをとりながら、日々勉強を続けて行くことが出来た。先生方に「諦めないでやりましょう」と幾度も声をかけていただき、週3回の授業+英語の課題を続けていった。7月に入るとさすがに仕事(夜勤含む)、家事、育児、通塾は難しく思い切って仕事をセーブし、勉強できる環境を作った。しかし日に日に試験が近づいてくるとプレッシャーにまたもや心が折れそうになる。まだこの英語力では合格できないのではないかと、不安に押しつぶされそうになる。もうここからは絶対にあの大学に入ってやりたい事がある、今の勉強方法を信じて続ければきっと結果は出る、この2つを心の中で繰り返し必死になって自分にくらいついた。

試験当日、塾に通い勉強し続けてきた半年間を振り返った。そして最後まで絶対に諦めないという気持ちで、試験に挑んだ。面接では、必修の最後の授業で教えてもらった「志望理由言う時、愛の告白だと思え」という言葉を何度も心の中で繰り返し、その通り愛の告白をした。こうして、私の半年間の受験戦争は終わった。

今もこうして机に向かっている。参考書を積み上げて、プリントが散乱していた頃とは違う。きちんと整理された机の上には、「入学手続き完了済」と印が押された受験票がある。私は第一志望の大学に無事合格し、入学手続きを完了させたのだ。来春から夢と希望を持って大学に行くことを、待ちきれずワクワクしている。大学進学を決めた「この経験をもっと患者さんの為に活かしたい」と言う思いを胸に、看護学を追究していきたいと思う。そして私には、その学びを必ず患者さんに還元していきたいという夢があり、夢で終わらせない自信もある。諦めない心を持って努力すれば、必ず夢は叶うと今回の合格で知った。この合格は、これから先のどんな夢でも叶うという自信にさえもなっているのである。そして、半年で人生を変える切符を手にさせてくれた京都コムニタスの先生方には、心からお礼を申し上げます。本当に、本当に有り難うございました!!