大学院体験記<京都文教大学大学院>

京都文教大学大学院 臨床心理学研究科臨床心理学専攻

Aさん

 京都文教大学大学院は院生の人数が1学年30名程度と多いことが特徴の1つで、担当できるケース数が少ないのではないか、教授や院生同士の関係が希薄になりがちなのではないか、そういったことが影響して、大学院生活が充実しないのではないか、という声が多くありました。しかし実際は、院生が多いから院生同士の関わりが薄くなることはありませんでした。教授の数も多いので、様々な研究分野についてバックアップしてもらえます。また、院生の数が多いことで、院生同士が声をかけあって研究会を立ち上げ、講師の先生方をお招きして勉強会を開くこともしています。院生が多いことのメリットは、OB・OGの先輩方が多いことにもあります。先輩方から数多くの求人情報やボランティア募集案内、勉強会や講演会の案内が学内に出回るので、情報に恵まれた環境の中で研鑽を積むことが出来ます。臨床心理の分野においては、何をするにおいてもまだまだ人脈がものを言うところがあります。就職ひとつをとっても、先輩や知り合いのつながりから紹介してもらった、という例が多いです。そのため、院生が多いということは強みになります。
 院生共同研究室の環境については、1人につき1つのデスクが与えられるので研究活動に専念することが出来ます。学部図書館は21時まで開いています。また、本学には大学院生向けに設備されている大学院図書館があり、こちらは英文書のみ貯蔵されています。海外の研究雑誌や書籍が豊富に揃っているので、最新の研究事情に触れることができます。
 実習制度も非常に整っています。修士1回生の時は1年間、1つの小学校で実習します。修士2回生になると福祉、医療機関で半期ずつ実習します。それぞれの実習先に2~4人程の院生がお世話になります。各曜日に1人ずつ実習に行くため不安なこともありますが、他の曜日の実習生と感じた不安や疑問について話し合うことで支え合っています。本学併設の心理臨床センターでは、地域支援活動の一環として独自の料金システムを設けており、面接の申し込みは増加傾向にあります。2年間の中で少なくとも3ケースは担当できる環境にありますので、十分な実践を積むことが出来ます。スーパーヴィジョンは修士1回生の6月から始まります。スーパーヴィジョンの費用は学費に含まれておりますので、交通費以外の実費はありません。
 奨学金制度も非常に充実しています。入試時と、修士1回生から2回生への進級時に成績が上位10位以内であれば、もれなく無償で20万円の奨学金を受け取ることができます(1学年につき30人ですので、3人のうち1人がこの奨学金を受け取ることができます)。この奨学金と通常の学費の奨学金は、成績によっては並行して適用されますので、経済的な面でのバックアップは充実していると思います。