やりがいと苦労

大変なことも多い仕事ですが、関わった方々の笑顔や安心した表情をみたり、声を聞くと臨床心理士として関わってきてよかったなと思います。

一番にやりがいを感じるときは、「相談してよかった」と安心してお話してくださり、少し肩の荷が下りた姿をみたときです。

困っている方の心の動きについて、一緒に気持ちをみていくことが出来たり、その気持ちに寄り添うことが出来るということが私のやりがいにつながっているのではないかと思います。

 

でも、人の気持ちや、個人が抱える苦しみ全てを臨床心理士が実際に体験したり、代わりに引き継ぐことも出来ません。

そのため、そういった困りやしんどさといった気持ちに寄り添いながら、臨床心理士としてその場で何が出来るのを考え、実際に支援していくことはやはり難しいなと感じています。

「傾聴」という言葉がありますが、いわゆる「話を聴く」という単純なことではないことを痛感しています。

 

人の気持ちの傷つきや落ち込みというのは、怪我とは違って実際には見えないです。

見えない傷つきや落ち込みというのは、人によって大きかったり、小さかったりと多少の異なりはありますが、私は誰しもが体験するものだと思います。

こういった誰しもが体験する傷つきや落ち込みに、誰かが気付き、困っていることがあれば一緒に対策を考えたり、話を聴いて少しでも前を向くことができたり、「まぁ大丈夫かな」と思ってもらえるような手助けが今後も必要になるのではないかと思います。

今この文を読んでくださっている方の中には、今度は「自分が手助けをしたい」と思われている方もいらっしゃるかもしれません。

ぜひその思いを持ち続けてください。臨床心理士を目指す上でとても大切です。原動力になります。