大学院体験記<京都教育大学大学院>

京都教育大学大学院 教育学研究科学校教育専攻臨床心理学コース

Aさん

<研究環境>
院生室は各学年に一室用意され、いつでも自由に使うことができます。院生室にはSSPS 搭載のWindowsパソコンが2台、コピーカード1枚が配置されています。文献は図書館のほかに、資料室にもあります。大学のパソコンではpsychoinfo も検索可能です。
修士論文は1回生から指導が行われます。指導環境は各教員により、様々です。週に1度行う先生もいれば月に1度の先生もいます。1回生の11月に構想発表会、2回生の7月に中間発表があり発達と臨床の教員に指導していただくことができます。修士論文の提出は1月初旬です。提出後、2月に修士論文発表会があります。
良かった点は、障害児教育の先生がいらっしゃるという点です。臨床心理士が働く現場でも発達障害への支援ニーズが高まってきていますので、発達障害に関する知識を得ることができます。
良くなかった点は、図書館にある文献が少ない点です。そのため、他大学から実費で複写依頼をすることが多く、不便に感じています。
<指導環境>
本大学は、心理教育実践センターで一般の方々からの相談を受け付けています。センター内には、相談室が5部屋、プレイルームが1部屋あります。2週に1度、担当者決定会議が行われ、ケースの担当者を決めます。院生が担当する各ケースには、本大学の教員がスーパーヴァイザーとしてつきます。教員は6名います。臨床心理士が5名(ロジャース、精神分析、ブリーフセラピー、折衷派)、精神科医の先生が1名(認知行動療法)です。

本大学は教員養成大学ということもあり、教育分野での実習を豊富に経験することができます。そのひとつとして、京都教育大学附属の小・中学校に相談員として派遣される実習があります。学校現場で、子どもの相談相手として臨床活動を経験することができます。
病院実習は2回生の夏休みに4日間の研修が行われます。複数の病院に2名ほどに分かれて、病棟やデイケアの見学を通して、医療現場で働く臨床心理士の仕事について学ぶことができます。
良かった点は、教育分野で臨床活動に関わることができるという点です。将来、子どもへの支援がしたいと考えておられる方にとっては、充分な経験を積むことができます。また、学校臨床の分野では学校システムに関する知識が必要とされ、分からない点はいつでも教員の先生に聞くことができます。
良くなかった点は、教育・医療以外の他の分野の実習経験があまりできないという点です。病院実習も4日のみなので短く感じました。したがって、実習だけでなく、自分から心理系のアルバイトを探して経験を積む必要があると感じました。
<就職支援>
就職支援はとくにありません。公務員試験の勉強をする人、就職活動をする人などさまざまです。

Bさん

まずは、京都教育大学大学院の教育設備についてです。院生室は、修士1回生と2回生はそれぞれ別の部屋が与えられ、いつでも利用できるようになっています。院生室にはパソコンが2台しかなく、大学院生の学生数に比べると十分とは言えません。机も人数分はありませんので、共同で使用しています。院生室以外では、パソコンは校内の「情報処理センター」に多数設置していますので、そのパソコンを使うこともあります。また、勉強をする際は、図書館やブースを利用しています。
修士論文の指導環境は、所属するゼミによって異なりますが、週に1回から月に1回のペースで、各ゼミ内で修士論文の検討を行なっています。また1回生のときの授業で、修士論文の構想を発表する機会があり、その際に多くの方の意見をいただくことができます。
実習は、1回生のときに不登校の子どもが通う学校の支援員として、また京都教育大学付属の小・中学の相談員として、通年で活動します。また2回生のときは、4日間の病院実習があります。
相談実習として1回生の前期は、心理教育相談室の運営に関わる諸活動を行ない、後期からは実際にケースを担当するようになります。ケースの指導環境は、ケースごとに指導教官についていただき、基本的に1回の面接のたびにスーパーヴィジョンを受け、指導していただきます。この相談実習は2回生になっても継続して行なわれ、1回生からインテークカンファレンス(初回面接を行ったケースを受理するか、あるいは誰が担当するかなどを話し合う)、個人スーパーヴィジョン、学内ケースカンファレンス、外部ケースカンファレンス(カウンセリング研究会、合同事例検討会等)、などの会議に参加します。また、平成23年度から夏季休暇中に大学院生が中心となって、学外の先生をお招きして、学内事例検討合宿を行うようになっています。
以上が、京都教育大学大学院の教育環境です。私は京都教育大学大学院に入学して、個人のモチベーションによって学ぶ場を提供してもらえると感じました。勉強会をする場や勉強会での指導など、こちらの要望を非常に親身になって聞き入れてくれる環境が整っていると感じました。