佛教大学大学院 通信教育課程 教育学研究科臨床心理学専攻 合格Kさん 

 私が大学院受験を決めたのは2022年4月のことでした。翌月の5月半ばから2023年2月末まで入塾し指導いただきました。臨床心理学のある大学院に行きたいと思ったきっかけは、私は発達障害をもつ児童の療育指導に携わる仕事をしており、彼らの情緒面において有効な支援を見つけたいと思ったからです。受験を決めた当時は社会人になって17年目、受験科目である英語を勉強していた頃からはもう20年以上も経っており、その間まったく英語にふれたことはありませんでした。また、大学は心理学部ではなかったため、心理学においては初学の状態でした。“受験するにしても一体何からすればいいのか…”と途方に暮れ、毎日ネットで情報を集める中でたどり着いたのが京都コムニタスでした。入塾するまでに塾長の井上先生に面談していただいたのですが、私自身が大学院を受験することに対してあまりにも漠然としていたため、私からの積極的な質問というよりも、井上先生から「どのようなことをテーマに研究してみたいのか」「志望校は考えていますか」などヒヤリングしていただいたような感じでした。心理学が初学であることや英語もほぼできない状態で今年度の受験が可能なのか質問したところ「みなさん、そのような状態で入塾されますが、それでも合格されますよ。」と言っていただき、丁寧に話を聞いてくださるところが印象的で“とにかく、ここに入って早く勉強を始めよう”と思い体験授業を経て入塾しました。

 授業では必修という科目があり、受験することの心構えや大学院に行く目的、研究計画作成の手続き、物事の考え方など今までに考えたことがなかったことを教えていただきました。受験の目的がまだ漠然としていた私は必修の授業を受けることで、自分の考えを整理し、受験の目的を明確にすることができました。これが後に作成する志望理由書や研究計画書に大いに役立ちました。

 心理学の授業では、毎回知らない用語がたくさん出てきたのですが要点をまとめて分かりやすく指導いただき、興味をもって勉強することができました。しかし、心理学は本当に範囲が広く深く、勉強すればするほど“覚えきれない”と不安になることも多かったです。そんな時は一緒に授業を受けている方たちに不安や悩みを聞いてもらい、受験について情報交換ができたことでモチベーションを落とさず自宅での学習に励むことができました。また受験直前には担当教員の先生に個別指導で過去問の添削を受け、受験校に応じた対策も教えていただきました。

 そして一番の不安であった英語は授業と個別指導での英文読み合わせを通し“とにかく前から読むこと”“S、Vをしっかりとること”“補語の見つけ方”など、今までの英語の勉強では全く意識してこなかったことを教えていただき、勉強していくうちに英語に対しての苦手意識が消えていくのを実感しました。勉強を始める前は“とにかく単語を覚えないといけない”と思っていましたが、そうではなく簡単な単語であっても、その品詞は何かを理解できることの方がはるかに文章読解に役立つことを知りました。受験当日は記憶についての英文が出題され、書かれている実験内容自体は知らないものでしたが、読解できたことである程度確信をもって回答することができました。受験を終えた今でも時々新聞に載っている英文のコラムに目を通すことが習慣化し、日常的に英語にふれようとするようになりました。あれだけ英語に苦手意識をもっていたのに、この変化には自分でも本当に驚いています。

 さらに授業外では研究計画の作成についても個別指導していただきました。井上先生に相談する中で自分が何を知りたいのかをとことん考え、それが明らかになった後の見通しを立てることで、どの先行研究論文を読む必要があるのか、自身がこれまで採ったデータをどのように活かすのか、また今後採る必要があるデータの内容など記述すべきことを具体的に考えられるようになりました。自宅で考えてきた文章が粗くても先生に添削していただくことで、まとまりのある文章に仕上がり、とても思い入れのある納得できる研究計画書ができました。受験当日の面接では志望動機や研究計画、将来なりたい臨床心理士像についての質問がありましたが、当日までにしっかりと考えを深めることができたことで必要以上に緊張することは無く、自分の言葉で落ち着いて話すことができました。こうして無事に希望する大学院に合格することができました。

 思い返してみると新しいことを学ぶ楽しさもありつつ、つらく苦しい日々でもありましたが、京都コムニタスで井上先生をはじめ親身になってくださる先生方やスタッフの方々、同じ志をもった方々と出会えたおかげで何とか乗り切ることができました。入学を控えた今思い出すのが、井上先生が授業の中で常に言っておられた『大学院に入ってからが本番』という言葉です。これから大学院で思う存分、勉強したり研究ができると思うと楽しみで仕方ありません。しかし本当に勉強できるだろうか、という不安も少しあります。そんな時は受験勉強する中で常に考えてきた“何のために勉強や研究をするのか”ということを思い出し自分を奮い立たせたいと思っています。