臨床心理士の専門業務

日本臨床心理士資格認定協会によれば、専門業務は4つあります。

1つ目は、臨床心理査定。心理テストを行なったり、実際に会って話すことで、相談に来たクライアントの心理状態を見ていきます。クライエントの話しを落ち着いて聴き、何を困っているのか、どのような気持ちなのかを理解し、さらにはクライエント本人が自覚していない心を考えながら、援助の方針を考えていきます。

2つ目は、臨床心理面接。いわゆるカウンセリングです。これは、多くの臨床心理士の活動の中心です。面接の方法はクライアントの年齢や状況などによって異なります。臨床心理士とマンツーマンで行ったり、時には集団で面接を行なったりします。面接の中では、精神分析や行動療法、家族療法など、どんな方法が良いのか考えていくことも求められます。

3つ目は、臨床心理的地域援助。精神的につらくなった人に援助するだけでなく、つらくならないようにどうすれば良いのかを考えていきます。学校など、地域の人たちに研修などを行い、知識や考え方をたくさんの人に伝えていきます。また、災害が起こったときにの被災者支援も含まれます。

4つ目は、調査と研究です。心理学は科学です。つまり、臨床心理学に基づいた援助活動は、エビデンスに基づいた営みになります。経験から考えてしまいそうになる援助活動も、しっかりとした調査と研究に基づいて導き出されたエビデンスに裏付けられた方法を活用し、客観的で正確な知識と考え方でクライエントを援助していきます。そのため、臨床心理士としての活動に関して、一つ一つ確実に調査し研究を積み上げていきます。臨床心理士にも、そういった客観性と正確さなどを探求していく姿勢が求められます。